この記事のポイント
- 第5戦は4打数4三振。6回2死満塁では左腕に5球で倒れた
- シリーズ11三振は日本人の1シリーズ最多。チームは9回で21三振
- ゾーンの中の球を振った空振り率は、今季の33%からシリーズ50%に
ホワイトソックスは10月10日(日本時間11日)、敵地プログレッシブ・フィールドで行われたガーディアンズとの地区シリーズ第5戦に0対2で敗れた。2連勝のあとに3連敗し、2勝3敗で敗退。2005年以来21年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出はならなかった。
「4番・一塁」で先発した村上宗隆内野手は、4打数無安打4三振。6回2死満塁の好機でも三振に倒れた。第1戦では先制2ランを放ったが、第3戦からは快音が続かなかった。メジャー1年目は、日本人1年目で最多の35本塁打と92四球を残してシーズンを終えた。

6回2死満塁、左腕に5球で三振
ガーディアンズ先発の右腕ギャビン・ウィリアムズは、6回2死まで1本の安打も許さなかった。村上は2回先頭の打席で、2ボール2ストライクから144.0キロのスイーパーに空振り三振。4回2死の打席は162.2キロの直球を見逃して追い込まれ、160.8キロの高めの直球を振って3球で三振した。
4回にホセ・ラミレスの2ランで先制され、0対2で迎えた6回、ホワイトソックスにこの試合最大の好機が来た。先頭のモンゴメリーが死球で出ると、2死からティールがチーム初安打となる右前打、バルガスが四球を選んで満塁。ガーディアンズはここでウィリアムズを降ろし、左腕エリック・サブロウスキーを送った。
サブロウスキーは第1戦と第2戦の6回にも村上と対戦し、三振と二ゴロに抑えていた投手だ。3度目の対戦は5球すべて直球。2ボール2ストライクから153.2キロの直球をファウルチップし、捕手が捕って三振。満塁の好機が消えた。
9回は先頭で、守護神ケイド・スミスの159.3キロの直球に空振り三振。続く2人も三振に倒れ、試合が終わった。
ガーディアンズの21三振は9イニングで最多
ガーディアンズ投手陣は、この試合で21三振を奪った。ウィリアムズが5回2/3で12、救援の3人で9。ポストシーズンの9イニングの試合では最多で、それまでの最多は3日前の第3戦でホワイトソックスが喫した19三振だった。その前は、2020年にレイズがヤンキースから奪った18三振だ。
MLB.comとESPNは、レギュラーシーズンを含めても9イニングの試合でメジャー最多と伝えている。ホワイトソックスはシリーズ5試合で75三振。勝った最初の2試合は10三振と13三振だったが、敗れた3試合は19、12、21と膨らんだ。
ホワイトソックスのベナブル監督は試合後、「ボール球を追いかけたというより、ゾーンの中で攻められ、ゾーンの中で空振りした」と話した(ESPN、10日)。
村上の数字も、その言葉と同じ向きを指している。シリーズでストライクゾーンの中の球を振ったのは26回で、半分の13回が空振りだった。レギュラーシーズンは698回振って空振りは233回、3回に1回の割合だった。11の三振のうち7つは、最後の球がゾーンの中だった。
1シリーズ11三振は日本人最多
村上はシリーズ5試合で19打数4安打、打率.211、1本塁打4打点だった。11三振は、日本人選手のポストシーズン1シリーズで最多になる。これまでは、大谷翔平(ドジャース)が2024年のパドレスとの地区シリーズで喫した10三振が最多だった。
1試合4三振も、日本人のポストシーズンでは2人目だ。大谷が2025年10月4日、フィリーズとの地区シリーズ第1戦で記録して以来になる。
最初の2試合は8打数3安打3打点と好調だった。第1戦の先制2ランは、メジャー1年目のポストシーズン本塁打として松井秀喜、井口資仁に続く日本人3人目。だが第3戦からの3試合は11打数1安打8三振。第4戦は押し出し四球で先制の打点を挙げたが、チームは3連敗した。
1年目は35本塁打と92四球
レギュラーシーズンは127試合で打率.207、35本塁打、77打点、92四球。本塁打はブルージェイズの岡本和真の33本を上回り、日本人選手のメジャー1年目で最多だった。四球も2008年の福留孝介の81個を上回る、日本人1年目の最多になった。
一方で三振も196個と、日本人の1シーズン最多だった。長打と四球と三振がそろって多い1年だった。
試合後、村上は「勝つか負けるかという際どいところで何とか1本打てるような技術と精神力をつけたい」と話した(スポーツ報知、11日)。チームについては「本当に自分のホームのような気持ちにもなれた」と感謝を口にしている(日刊スポーツ、11日)。
196三振の記事で見たとおり、今季の三振は2ストライク後の高めの速球への空振りが多かった。来季はそれに加え、このシリーズで増えたゾーンの中の球への空振りが減るかどうか。減れば、35本塁打と92四球を保ったまま三振を減らせるかもしれない。
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この記事の数字について(出典・集計方法)
- 試合の経過と成績は MLB Stats API の試合データ(第5戦 gamePk 849831、
gameType=D=地区シリーズ)の boxscore・playByPlay・linescore による。シリーズの各試合は第1戦 849829、第2戦 849834、第3戦 849833、第4戦 849832。村上のシリーズ成績は5試合の boxscore の合計と、選手別成績(gameType=D)の両方で、21打席19打数4安打1本塁打4打点2四球11三振を確認した。 - 球速はマイルから換算した(1マイル=1.609344キロ)。第5戦の三振の最後の球は、2回が89.5マイルのスイーパー、4回が99.9マイルの直球(追い込まれた球は100.8マイル)、6回が95.2マイルの直球、9回が99.0マイルの直球。
- 「ポストシーズンの9イニングの試合で最多」は、MLB Stats API で1903〜2026年のポストシーズンの全試合の boxscore を読み、各チームの投手陣の奪三振と投球アウト数を数えたもの。アウト27個(9イニング)の試合では21(今回)、19(2026年第3戦)、18(2020年地区シリーズ第2戦、レイズ対ヤンキース)の順。延長を含めると、1996年地区シリーズのガーディアンズ(当時インディアンス)の23三振(12イニング)などがある。1990年より前の試合はデータの抜けがありうるが、MLB.com(Sarah Langs、10月11日)と ESPN(Jesse Rogers、10月10日)も、21三振を9イニングの試合でレギュラーシーズンを含めてメジャー最多と伝えている。レギュラーシーズンを含む部分は当サイトでは数えていない。
- 日本人のポストシーズンの三振は、当サイトの日本人選手の名簿にある打者の試合別成績(MLB Stats API の gameLog、
gameType=F,D,L,W)を全部足して数えた。1シリーズの三振は村上11(2026年地区シリーズ)、大谷10(2024年地区シリーズ)、大谷9(2025年地区シリーズ)の順。1試合4三振は大谷(2025年10月4日)と村上の2度で、5三振以上はない。 - ゾーンの中の空振り率は、スイング(空振り・ファウル・ファウルチップ・打球になった球)に占める空振り(空振り・ファウルチップ)の割合で、ゾーンは1球データの1〜9。シリーズは playByPlay の1球データで13/26(50.0%)、レギュラーシーズンは Baseball Savant の1球データ(2026年、
hfGT=R)で233/698(33.4%)。シリーズは26スイングと少なく、偶然の振れ幅も大きい。 - 日本人1年目の本塁打と四球は、当サイトの日本人選手のメジャー1年目の集計(MLB Stats API、レギュラーシーズン)による。今季成績は MLB Stats API のレギュラーシーズン(
gameType=R)の最終成績。 - 1年目のポストシーズン本塁打(日本人3人目)は第1戦の記事の集計による。
- ベナブル監督の発言は ESPN の記事(Jesse Rogers、2026年10月10日)にある英語の発言を、当サイトが日本語に訳した。村上の発言は、スポーツ報知(Yahoo!ニュース掲載、2026年10月11日)と日刊スポーツ(2026年10月11日)による。21三振の記録は MLB.com も参照した。
- 発言は報道によるもので、当サイトが取材したものではない。
数字はすべて MLB Stats API ほかの実データです。データの出典と方針