この記事のポイント
- 2026年の日本人投手9人の奪三振は合計977個。日本人投手の史上最多
- 9人全員が60個以上。200個に届いた投手はいない
- 投球回は前年より41回少ないのに、三振は13個増えた
2026年のレギュラーシーズンで、メジャーで投げた日本人投手は9人。奪った三振は合わせて977個になった。1964年の村上雅則から数えても、日本人投手の1シーズンの合計としては最も多い。前年の964個を13個上回り、2年続けて最多を塗り替えた。
内訳は、山本由伸182個、今永昇太174個、佐々木朗希123個、今井達也97個、菅野智之96個、大谷翔平95個、千賀滉大75個、松井裕樹68個、菊池雄星67個。9人全員が60個以上を奪っている。60個以上の投手が9人そろったシーズンは、これまでなかった。

野茂の236個から31年
1995年、日本人投手は野茂ひとりで、合計はそのまま野茂の236個だった。2002年には野茂、石井一久、大家友和の3人が100個を超え、10人で727個まで増えた。
ところが2000年代半ばには先発投手が減り、2006年は3人で204個まで落ち込んだ。ダルビッシュ有が加わった2012年から再び増え、ダルビッシュ、岩隈久志、黒田博樹、田中将大が先発ローテーションに並んだ2014年に919個に達した。
この919個は、2024年まで10年間破られなかった。2023年は千賀、菊池、大谷、ダルビッシュ、前田健太の5人が100個を超えたが、合計は891個で届いていない。900個を超えたシーズンは、2014年と2025年、2026年の3度しかない。
前年は「投げた量」、今年は「三振を取る割合」
2025年の964個は、投げた量でつくった記録だった。10試合以上に先発した日本人投手が7人いて、投球回の合計は1032回1/3。どちらも過去最多だ(それまでの最多は5人と954回1/3)。
2026年も10試合以上の先発は7人いる。ただ、投げた投手は11人から9人に減り、投球回の合計は991回1/3と前年より41回少なかった。それでも三振は13個増えている。
増えた理由は、対戦した打者のうち三振に取った割合(K%)にある。前年の22.4%から23.7%に上がった。100人と対戦すれば、24人近くを三振に仕留めた計算になる。
メジャー全体のK%は22.2%から22.1%とほぼ変わっていない。前年の日本人投手はメジャーの平均並みだったが、今年は平均を上回った。前年と同じ割合のままだったら、合計は920個ほどにとどまっていた。
菊池とダルビッシュの穴を、佐々木と今井が埋めた
顔ぶれは前年からかなり入れ替わっている。前年174個の菊池は14試合の先発で67個にとどまり、前年68個のダルビッシュは今季メジャーで登板がなかった。この2人だけで175個減った計算になる。
その穴を埋めたのが佐々木と今井だ。佐々木は前年の28個から123個に増え、今井はメジャー1年目で97個を奪った。2人で220個になる。今井は76回2/3で97個と、対戦した打者の28.7%を三振に取った。この割合は9人の中で最も高い。
今永も前年の117個から174個に増やした。投げた回が30回近く増えたうえに、K%も20.6%から24.6%に上がっている。大谷も85回2/3で95個を奪い、前年の62個から33個増やした。
一方で、前年201個の山本は今季182個。200個に届いた投手はいない。2023〜25年は3年続けて200個超えがいた(千賀202個、菊池206個、山本201個)。その代わり、今井97個、菅野96個、大谷95個と100個目前が3人いる。200個の投手なしで、9人で積み上げた記録だ。
1000個まではあと23個。来季は、FAになる今永と菅野の行き先と、今季登板のなかったダルビッシュの復帰が合計を左右する。佐々木と今井が今季より長く投げれば、初の1000個も見えてくる。
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この記事の数字について(出典・集計方法)
- 数字はすべて MLB Stats API のレギュラーシーズン(
gameType=R)の成績で、ポストシーズンは含まない。2026年はレギュラーシーズン終了時点。 - 日本人投手の名簿は、当サイトの日本人選手の対応表(
src/lib/japaneseByTeam.ts、1964〜2026年の日本人選手)に載る選手のうち、その年にメジャーで投手として登板した選手とした。大谷翔平は二刀流として投手の成績を含めている。 - 名簿の漏れは2通りで確かめた。①対応表の全選手の年度別成績(
yearByYear)を個人ごとに合算、②1995〜2026年の各年について、メジャー全選手のうち出生国が日本の選手を抽出し、リーグ全体の投手成績から合算。①と②は全32年で奪三振・勝利・投球回・自責点が一致した。②で見つかった日本生まれの米国人・オーストラリア人の投手(ジェフ・マッカリー、クレイグ・ハウス、スティーブン・ランドルフ、マイケル中村)は日本人選手ではないため含めていない。千賀滉大の0勝9敗の記事では出生国だけで抽出したためマイケル中村を日本人投手に数えており、この記事とは扱いが異なる(中村の2003年14個、2004年24個を足しても、2026年の977個が最多であることは変わらない)。 - シーズン途中で移籍した投手は、所属球団ごとの行ではなくシーズン合算の行で数え、二重に数えていない。
- 年ごとの奪三振の合計(人数):1995年236(1人)、2002年727(10人)、2006年204(3人)、2013年836(9人)、2014年919(9人)、2023年891(6人)、2024年740(8人)、2025年964(11人)、2026年977(9人)。1966〜1994年はメジャーで投げた日本人投手がいない(1964年は村上雅則の15個、1965年は85個)。1995年はストライキの影響で各球団144試合、2020年は60試合だった。
- 60個以上の投手の数は2025年の8人がそれまでの最多。100個以上の投手は2026年が3人、2025年と2023年が5人。200個以上は2023年千賀202、2024年菊池206、2025年山本201。2011年は442個、2012年は704個。
- 2025年の他の投手の奪三振:千賀109、菅野106、大谷62、松井61、小笠原慎之介30、前田健太8。「10試合以上の先発」の人数は2014年・2021年・2023年・2024年の5人がそれまでの最多。投球回の合計はそれまで2002年の954回1/3が最多だった。
- K%は奪三振÷対戦打者。日本人投手は2025年が22.4%(964/4313)、2026年が23.7%(977/4118)。メジャー全体は全30球団の投手成績の合計で、2025年22.2%、2026年22.1%。「920個ほど」は、2026年の対戦打者4118人に2025年の割合を掛けたもの。
- 今季の個人の割合:今井28.7%(97/338)、大谷27.9%(95/340)、千賀26.5%(75/283)、松井26.2%(68/260)、山本25.7%(182/708)、今永24.6%(174/706)、佐々木23.6%(123/522)、菊池22.0%(67/305)、菅野14.6%(96/656)。今永の2025年は20.6%(117/567)。
- 投球回:山本185回、今永174回1/3、菅野154回1/3、佐々木122回1/3、大谷85回2/3、今井76回2/3、菊池67回2/3、松井64回、千賀61回1/3。今永の2025年は144回2/3。
- 勝利数の合計は2026年が62勝で、2002年と並ぶ歴代2位(最多は2014年の66勝)。投球回の合計991回1/3は2025年に次いで2番目。
- 9人をひとりの投手とみなした防御率は3.97(自責点の合計437×9÷投球回の合計991回1/3)で、メジャー全体(全30球団の合計)の4.17より低い。
数字はすべて MLB Stats API ほかの実データです。データの出典と方針