STATSBaseball ArchivesBASEBALL STATS ANALYSIS
← ニュース一覧
ニュース2026-08-30菅野智之山本由伸勝敗防御率援護点ロッキーズドジャースMLB

同じ12勝8敗に並んだ菅野と山本 援護は両方消えていた

同じ12勝8敗に並んだ菅野と山本 援護は両方消えていた

8月28日、ロッキーズの菅野智之は4回10安打6失点で敗れた。その前日、同じトゥルイスト・パークで同じブレーブス打線と対峙した山本由伸は、6回1/3を1失点8奪三振に抑えて負け投手になっている。当サイトが2人を並べた8月4日の時点では、菅野が11勝4敗、山本が11勝7敗だった。ところが翌日以降、菅野は1勝4敗。援護点は菅野2.80点、山本2.50点とほぼ同じ水準まで落ちている。同じ12勝8敗に並んだ2人の防御率は、菅野5.23、山本2.56。

Baseball Archives 編集部2026-08-30データ出典 MLB Stats API

8月28日、アトランタのトゥルイスト・パーク。ロッキーズの菅野智之は4回を投げて10安打6失点、5回のマウンドに上がることなく降板した。チームは4対6で敗れている。

その前日、同じ球場で同じブレーブス打線と向き合っていたのが山本由伸だった。6回1/3を4安打1失点、8奪三振。与えた四球は1つだけ。文句のつけようがない投球である。それでも山本には敗戦が付いた。ドジャース打線が0点に終わったからだ。

当サイトは8月4日、この2人を並べた記事を書いている。菅野が11勝4敗、山本が11勝7敗。同じ11勝でももらっている点がまるで違うという話で、菅野については「6月以降は7連勝と、内容自体も上向いていた」とも書いた。

その翌日から、菅野は1勝4敗である。そして8月28日、2人は同じところに並んだ。どちらも12勝8敗

追いついたのではない。止まったのだ

8月5日以降の2人を並べると、何が起きたかは一目でわかる。

菅野(8/5以降) 山本(8/5以降)
登板 5先発 4先発
勝敗 1勝4敗 1勝1敗
投球回 23回 24回1/3
防御率 8.61 1.48
被安打 37 16
1試合の援護点 2.80点 2.50点

山本が追い上げたわけではない。この3週間半、山本も1勝しかしていない。菅野が4敗を積んで止まっている間に、勝敗の差が消えただけである。

そして注目すべきは、いちばん下の行だ。援護点、つまりその投手が先発した試合でチームが挙げた総得点は、8月4日の時点で菅野6.21点、山本4.85点。菅野のほうが1試合あたり1.36点も多くもらっていた。それが8月5日以降は2.80点と2.50点。落ちた幅は同じではない(菅野が3.41点、山本が2.35点)が、落ちた先はほとんど同じ水準になった。菅野を押し上げていた1.36点のアドバンテージは、0.30点まで縮んでいる。

もらえる点が並んだあとに残ったもの

条件が近づいたところで、結果は正反対に振れた。

菅野は23回で37安打を浴びている。9イニングあたりに直すと14.5安打。8月4日までは9.2安打だったから、打たれるペースがおよそ1.6倍になった計算だ。防御率は4.47から8.61へ。

山本は逆だった。24回1/3で16安打、自責点はたった4つ。防御率は2.76から1.48へ改善している。対戦打者に占める三振の割合も23.8パーセントから32.7パーセントへ跳ね上がった。8月5日以降の山本は、明らかに一段ギアが上がっている。

それでも山本の白星は1つだけだった。5点をもらった8月21日は勝敗が付かず、0点だった8月27日には敗戦が付いている。ほとんど同じだけしか援護されない中で、片方は崩れ、片方はむしろ良くなった。 この3週間半の2人を分けたのは、打線ではなかった。

菅野の5先発

菅野の8月5日以降を1試合ずつ見ると、白星が1つ付いたこと自体が幸運に見えてくる。

日付 投球回 自責点 勝敗 味方の得点
8月5日 5回 3 0点
8月11日 6回 2 3点
8月17日 5回 6 5点
8月23日 3回 5 2点
8月28日 4回 6 4点

直近3先発は12回で17自責点。5点をもらった8月17日でさえ落としている。最後の白星は8月11日まで遡り、その6回を最後に、5回、3回、4回。一度も6回のマウンドに立てていない。

球場のせいにもできない。今季24先発を通して見ると、菅野の防御率は本拠地クアーズ・フィールドで5.00、ビジターで5.46。被本塁打も本拠地11本に対してビジターは16本ある。標高およそ1580メートル、打球が飛ぶことで知られるあの球場より、外に出たときのほうが打たれている。

12勝という数字が、いま指しているもの

シーズン成績に戻る。菅野は12勝8敗で防御率5.23、山本は12勝8敗で防御率2.56。同じ24先発、同じ勝敗で、奪三振は75と153。年齢は36歳と28歳。

今季10勝以上を挙げた31人の投手のうち、防御率が4.50を超えているのは菅野ただ1人である。 2番目に悪いネイサン・イボルディが4.21だから、1.02の差がある。

一方でロッキーズは52勝84敗。30球団で最も勝てていないチームだ。そのわずかな勝ち星の23.1パーセントを、菅野1人が稼いでいる。今季8勝以上を挙げた投手の中でMLB1位の比率で、2位はレッズのチェイス・バーンズの21.9パーセント。ただし彼の防御率は2.77である。

山本のWHIP、1イニングあたりに背負う走者の数は0.89で、規定投球回に達した投手の中でMLB2位。防御率は8位。走者を出さないという一点でMLBのほぼ頂点にいる投手が、それでも8度、負け投手になっている。

8月4日、この2人の勝ち負けの差は「もらった点の多さ」でほぼ説明が付いた。3週間半後、もらえる点は2人ともほぼ同じ水準まで落ち、あとに残ったものだけが数字に出ている。ローテーション通りなら、ロッキーズの残り26試合で菅野に回ってくる先発はあと5回前後だ。


この記事の数字について

関連記事

数字はすべて MLB Stats API ほかの実データです。データの出典と方針
選手データ

菅野智之の成績・年度別・高度指標を見る

開く →

関連・注目のニュース

← ニュース一覧へ戻る