2026年8月8日(日本時間9日)、ホワイトソックスの村上宗隆がガーディアンズ戦で26号本塁打を放った。これが、2026年に日本人メジャーリーガーが打った本塁打のちょうど100本目だった。 1シーズンの合計が3桁に乗ったのは史上初である。
本塁打を日付順に並べ直すと、96本目が8月3日の鈴木誠也、97・98本目が8月5日の大谷翔平(1試合2本)、99本目が8月7日の村上、そして100本目が8月8日の村上の26号だった。
1998年からの全シーズン
MLB公式のStats APIから、日本生まれの選手の年度別本塁打を集計した。1998年以降の全シーズンは次の通り。
| 年 | 合計 | 最多の選手 | 打った人数 |
|---|---|---|---|
| 1998 | 1 | 野茂英雄 1 | 1 |
| 1999 | 0 | ― | 0 |
| 2000 | 1 | 吉井理人 1 | 1 |
| 2001 | 18 | 新庄剛志 10 | 2 |
| 2002 | 18 | 新庄剛志 9 | 3 |
| 2003 | 34 | 松井秀喜 16 | 5 |
| 2004 | 51 | 松井秀喜 31 | 6 |
| 2005 | 64 | 松井秀喜 23 | 5 |
| 2006 | 58 | 城島健司・井口資仁 18 | 6 |
| 2007 | 68 | 松井秀喜 25 | 7 |
| 2008 | 46 | 福留孝介 10 | 7 |
| 2009 | 69 | 松井秀喜 28 | 6 |
| 2010 | 42 | 松井秀喜 21 | 4 |
| 2011 | 25 | 松井秀喜 12 | 3 |
| 2012 | 21 | 青木宣親 10 | 3 |
| 2013 | 16 | 青木宣親 8 | 3 |
| 2014 | 2 | 青木宣親・イチロー 1 | 2 |
| 2015 | 6 | 青木宣親 5 | 2 |
| 2016 | 7 | 青木宣親 4 | 4 |
| 2017 | 8 | 青木宣親 5 | 2 |
| 2018 | 22 | 大谷翔平 22 | 1 |
| 2019 | 18 | 大谷翔平 18 | 1 |
| 2020 | 15 | 筒香嘉智 8 | 2 |
| 2021 | 54 | 大谷翔平 46 | 2 |
| 2022 | 50 | 大谷翔平 34 | 3 |
| 2023 | 79 | 大谷翔平 44 | 3 |
| 2024 | 85 | 大谷翔平 54 | 3 |
| 2025 | 91 | 大谷翔平 55 | 3 |
| 2026 | 100 | 大谷翔平・村上宗隆 26 | 5 |
※2020年は60試合制の短縮シーズン。2026年は進行中。
松井秀喜とイチローの時代の最高は、2009年の69本
日本人打者がMLBに最も多くいたのは2000年代半ばである。松井秀喜、イチロー、城島健司、井口資仁、福留孝介が同じ時期にプレーしていた。
その時代の最高は2009年の69本である。内訳はこうなっている。
| 選手 | 本塁打 | 試合 |
|---|---|---|
| 松井秀喜 | 28 | 142 |
| イチロー | 11 | 146 |
| 福留孝介 | 11 | 146 |
| 松井稼頭央 | 9 | 132 |
| 城島健司 | 9 | 71 |
| 岩村明憲 | 1 | 69 |
6人が本塁打を打ち、それでも69本だった。この年、松井秀喜はワールドシリーズMVPを獲得している。
次いで多いのが2007年の68本(7人)、2005年の64本(5人)。この時代は「打つ人数は多いが、1人あたりの本数が少ない」構造だった。 2005年は松井秀喜23本・イチロー15本・井口資仁15本と、上位3人が15本以上で並びながら合計64本にとどまっている。
2026年の100本は、この2009年の69本を31本上回った。
2014年、日本人の本塁打は2本しかなかった
もう一つ、表の中で目を引く年がある。2014年の合計は2本。 青木宣親が1本、イチローが1本。それだけである。
前年の2013年が16本、2015年が6本。2012年から2017年までの6年間は、6シーズン合計で60本に届かない(21・16・2・6・7・8=60本)。2009年1年分の69本に、6年かけても届かなかった。
松井秀喜が2012年限りで引退し、イチローが40代に入り、次の世代の長距離打者がまだ渡っていなかった時期にあたる。日本人メジャーリーガーの本塁打は、ここでほぼ途絶えていた。
「大谷ひとり」の時代を経て
流れが変わるのは2018年、大谷翔平のデビューからだ。ただしこの年の22本は大谷1人が打った22本で、他の日本人選手の本塁打は0だった。2019年の18本も同様である。
2021年は54本のうち大谷が46本で、割合にすると85.2%。2024年は85本のうち54本で63.5%。2025年は91本のうち55本で60.4%。過去3年の記録更新は、いずれも大谷1人が半分以上を打つ形で積み上がっていた。
2026年が過去の当たり年と違う点
2026年の100本の内訳は次の通り。
| 選手 | 本塁打 | 試合 | 打率 | OPS |
|---|---|---|---|---|
| 大谷翔平 | 26 | 112 | .292 | .937 |
| 村上宗隆 | 26 | 82 | .237 | .909 |
| 岡本和真 | 24 | 116 | .225 | .728 |
| 鈴木誠也 | 19 | 101 | .269 | .831 |
| 吉田正尚 | 5 | 81 | .273 | .747 |
ここに2つの「史上初」がある。
① 20本以上の日本人選手が3人いる。 過去に複数の20本打者がいたのは2023年・2024年・2025年の3シーズンだけで、いずれも2人(大谷と鈴木誠也)だった。それ以前は1人が最多である。松井秀喜とイチローが並び立った時代でさえ、20本以上に届いたのは松井1人だけだった。
② 最多の選手が全体に占める割合が26.0%まで下がった。 合計が60本を超えたシーズン(2005・2006・2007・2009・2023・2024・2025・2026)で比べると、これまでの最低は2006年の31.0%(城島健司18本/58本)。2026年は大谷の26本が100本の26.0%で、これを下回った。
つまり2026年は、合計が過去最高なのに、突出した1人がいないという初めての形になっている。 大谷の26本は自身の2021年以降で最も少ないペースだが、それでも合計は100本に届いた。
残り約44試合
8月10日(日本時間)時点で、各球団の消化試合はホワイトソックス117、ドジャース118、ブルージェイズ119、カブス119、レッドソックス117。162試合制なので、残りは1球団あたり43〜45試合ある。
各選手の現在のペース(本塁打÷所属球団の消化試合×162)がそのまま続くと仮定すると、大谷35.7・村上36.0・岡本32.7・鈴木25.9・吉田6.9で、合計は約137本になる。あくまで単純な割り戻しであり、村上は5月30日から7月10日まで右ハムストリングの張りで離脱している以上、この数字は「全員が離脱せず今のペースを維持したら」という前提でしか成り立たない。
それでも、100本という数字が8月上旬に出ている事実は動かない。2009年の69本には、シーズン終了まで到達しなかった。
この記事の数字について
- 出典はMLB公式のStats API。2026年8月10日(日本時間)時点で取得した
- 「日本人選手」は、Stats APIで出生国が日本と登録されている選手から、米軍基地などで生まれた選手(デーブ・ロバーツ、キース・マクドナルド、クレイグ・ハウス、ジェフ・マッカリー、スティーブン・ランドルフ、マイケル・ナカムラ)を除いて集計した。この6人を含めた場合、2005年の合計は72本、2026年は100本で変わらない
- 年度別合計は2つの異なる方法で独立に集計し、全シーズンで一致することを確認した(リーグ全体のシーズン成績から日本人選手を抽出する方法と、選手ごとの年度別成績を年で足し合わせる方法)。後者はシーズン中に移籍した選手の行が重複するため、合算行のみを採用して重複を除いた
- 2026年シーズンは進行中のため、合計本数と順位は今後変動する
