この記事のポイント
- 勝ち残った4球団の投手だけの特別版で、山本由伸が1位
- シーズンの4指標は、すべて2位のミジオロウスキーが上
- 寸評が挙げたのは地区シリーズの10奪三振と、昨年のワールドシリーズMVP
ドジャースの山本由伸投手が、MLB公式サイト(MLB.com)の先発投手パワーランキングで1位になった。今回は10月11日(日本時間12日)発表、リーグ優勝決定シリーズに進んだ4球団の投手に絞った特別版。シーズンの数字では2位のミジオロウスキーが上だが、寸評は山本のポストシーズンの投球と昨年の実績を挙げている。
パワーランキングは、MLB.comの記者や編集者が投票して決める「いま最も手ごわい先発投手」の順位で、サイ・ヤング賞のような公式の表彰ではない。レギュラーシーズン中はほぼ2週間ごとに出ている。特別版での1位だが、山本が1位に入るのは今季初めて。日本人では5月の大谷翔平以来になる(大谷は6試合に先発して防御率0.97だった時期)。

上の2人が対象から外れた特別版
今季の1位は、ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキーが6月中旬からずっと守ってきた。レギュラーシーズン最後の9月24日の回でも1位で、山本は4位。2位はヤンキースのシュリットラー、3位はブレーブスのセールだった。
今回の対象は、勝ち残ったドジャース、ブルワーズ、レイズ、ガーディアンズの4球団の先発投手だけ。ヤンキースとブレーブスはすでに敗退しており、山本より上にいたシュリットラーとセールは顔ぶれから外れた。上の2人が抜けたことが大きい。
そのうえで、山本は2位のミジオロウスキー、3位の同僚タリク・スクバルを上回った。寸評は「昨季のワールドシリーズMVPが、またやってのけている」で始まり、山本を勝ち残った4球団で最高のローテーションの「頼れるエース」と呼んでいる。
シーズンの数字はミジオロウスキーが上
ただ、レギュラーシーズンの数字ではミジオロウスキーが上回る。規定投球回に届いた46人の中で、ミジオロウスキーは防御率1.80、被打率.157、WHIP(1回に出した走者の数)0.80がすべて1位。山本は防御率2.53が5位、被打率.182が3位、WHIP0.87が2位だった。
差がいちばん大きいのは三振だ。対戦した打者のうち三振を奪った割合は、ミジオロウスキーが37.9%で1位。山本は25.7%で20位にとどまる。ミジオロウスキーは三振でアウトを取り、山本は打たせて取りながら走者を出さない。
| 2026年レギュラーシーズン | 山本由伸 | ミジオロウスキー |
|---|---|---|
| 防御率 | 2.53(5位) | 1.80(1位) |
| 被打率 | .182(3位) | .157(1位) |
| WHIP | 0.87(2位) | 0.80(1位) |
| 奪三振の割合 | 25.7%(20位) | 37.9%(1位) |
1位の理由は初登板と昨年の実績か
寸評は山本とミジオロウスキーを直接比べてはいない。ただ、それぞれの寸評から読む限り、決め手はポストシーズンの初登板と昨年の実績とみられる。ここからは当サイトの推論である。
山本は1勝1敗で迎えたブレーブスとの地区シリーズ第3戦で、7回を4安打1失点、10奪三振に抑えた。対戦した26人のうち10人を三振に取り、割合は38.5%。ミジオロウスキーのシーズン37.9%を上回った。
ミジオロウスキーは、パドレスとの地区シリーズ第1戦で4回2失点。MLB.comは、パドレス打線がファウルで粘り、球数を増やしたと伝えている。4回で88球、1回に22球かかった。山本は7回を98球で、1回14球だった。
昨年の実績もある。山本は2025年のポストシーズンで37回1/3を投げて防御率1.45、ワールドシリーズでは第7戦の救援も含めて3勝を挙げてMVPになった。MLB.comの寸評も、この昨年10月の投球から書き起こしている。
ミジオロウスキーへの評価も高いままだ。寸評では「いま球界で最もすごみのある投手」と呼ばれ、ナ・リーグのサイ・ヤング賞の本命とされている。
ランキングが出た11日の夜、リーグ優勝決定シリーズ第1戦でスクバルとミジオロウスキーが投げ合った。ドジャースは1対2で敗れ、スクバルが5回2失点で負け投手に。ミジオロウスキーは4回1/3を1失点だった。
山本は12日(日本時間13日午前6時開始予定)の第2戦に先発する。相手の先発は、このランキングで7位のローガン・ヘンダーソン。1位の評価どおりに長い回を投げられるかが、まず見るところになる。
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この記事の数字について(出典・集計方法)
- ランキングは MLB.com の記事(2026年10月11日「2026 MLB League Championship Series starting pitcher power rankings」)による。対象はリーグ優勝決定シリーズに残った4球団の、故障者を除く先発投手。順位は1位山本、2位ミジオロウスキー、3位スクバル、4位ラスムセン、5位メシック、6位ギャビン・ウィリアムズ、7位ヘンダーソン、8位スネル、9位ペラルタ、10位グラスノー。寸評の英文は当サイトが日本語に訳した。
- 過去の順位は MLB.com の各回の記事による。9月24日の回(Starting Pitcher Power Rankings: The best of playoff hopefuls)は1位ミジオロウスキー、2位シュリットラー、3位セール、4位山本。同じ記事に、ミジオロウスキーが6月中旬から続けて1位とある。ヤンキースはレイズに、ブレーブスはドジャースに、ともに地区シリーズで敗れた(MLB Stats API の日程データ)。
- 大谷の1位は2026年5月7日の回(MLB.com)、今永の1位は2024年5月23日の回(MLB.com)で確かめた。2026年に1位になったのは、スキーンズ、スクバル、大谷、サンチェス、ミジオロウスキー、山本の6人(スキーンズ・スクバル・大谷は5月21日の回の記事による)。日本人ではほかに、2024年5月23日の回で今永昇太が1位になっている。山本の2026年の順位は、確かめた回で6月18日5位、8月13日5位、8月27日6位、9月10日8位、9月24日4位。2025年と2024年の全ての回は確かめていないため、山本の通算で何度目の1位かは書いていない。2025年のポストシーズン前の回(9月25日)では2位だった。
- 成績は MLB Stats API による。レギュラーシーズン(
gameType=R)の順位は規定投球回に届いた46人の中のもの。山本は185回、防御率2.53、182奪三振、WHIP0.87、被打率.182。ミジオロウスキーは174回2/3、防御率1.80、252奪三振、WHIP0.80、被打率.157。奪三振の割合は三振÷対戦打者で、山本25.7%(182/708)、ミジオロウスキー37.9%(252/665)。 - 地区シリーズ第3戦(gamePk 849819)の山本は、boxscore と playByPlay を別々に取得して、7回・4安打・1失点・1四球・10奪三振・98球・対戦打者26人が一致することを確かめた。奪三振の割合は38.5%(10/26)。ミジオロウスキーの地区シリーズ第1戦(849830)は4回・4安打・2失点・6奪三振・88球。スクバルの地区シリーズ第1戦(849828)は6回1失点・7奪三振。
- 山本の2025年のポストシーズンは6試合(5先発)、5勝1敗、37回1/3、自責点6、防御率1.45(
stats=season&gameType=P)。 - リーグ優勝決定シリーズ第1戦(gamePk 849809)は10月11日、ブルワーズが2対1で勝った。スクバルは5回2失点、ミジオロウスキーは4回1/3を1失点。第2戦の日程と予告先発は MLB Stats API の日程データ(10月12日時点)による予定で、変更されることがある。
- スポーツ報知(2026年10月12日)もこのランキングを報じている。
- 日付は現地時間。
数字はすべて MLB Stats API ほかの実データです。データの出典と方針