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佐藤輝明の移籍先はどこが合う? 三塁が弱いメジャー球団をデータで

2026年10月19日(日本時間) Baseball Archives 編集部 データ出典 MLB Stats API

この記事のポイント

  1. 三塁手のOPSが下位10で勝ち越したのは4球団。4球団とも左の本塁打が出やすい球場
  2. フィリーズは左打者の本塁打が出やすい球場で1位。三塁のボームはFAになる
  3. 三塁手のOPSが最も低いのはマリナーズの.582。ただし今季は負け越した

佐藤輝明に合いそうなメジャー球団は、フィリーズ、ヤンキース、ブレーブス、ガーディアンズの4球団だ。 2026年レギュラーシーズンで三塁手の打撃が30球団の下位10に入り、勝ち越したのはこの4球団。4球団とも、本拠地は左打者の本塁打が出やすい球場だった。

なかでも条件がそろうのはフィリーズだ。本拠地は左打者の本塁打が出やすい球場の1位で、三塁のレギュラーだったアレック・ボームはこのオフにFAになる。阪神は佐藤のポスティングを容認する方向と報じられているが(スポーツ報知、10月17日)、10月19日時点で球団の正式な発表はない。

佐藤輝明の移籍先はどこが合う? 三塁が弱いメジャー球団をデータで

佐藤輝明はどこを守るのか

NPBの公式記録で、佐藤は2026年に三塁で125試合、外野で18試合に出た。一塁の出場はない。右投げ左打ちで、143試合で打率.306・39本塁打・106打点、セ・リーグの三冠王になった。三振の多さや、メジャーに渡った先輩たちの1年目は前回の記事で比べている。

佐藤の本職は三塁だ。ただし今季は三塁で18失策があり、移籍先では一塁や外野に回る可能性も報じられている(後述)。ここでは三塁を軸に、補助として右翼・一塁・指名打者も見た。

三塁が弱いメジャー球団は?

比べたのは、各球団の三塁手が打席に立ったときの打撃成績だ。三塁を守った選手全員の打席を合わせたもので、使ったのはOPS。出塁率と長打率を足した数字で、簡単に言えば「どれだけ塁に出て、どれだけ長打を打ったか」を1つにまとめたものだ。

MLB全体の三塁手のOPSは.717だった。下位はマリナーズ.582、レッズ.583、エンゼルス.609の順。

4球団の順位は、30球団の下からヤンキース(.629)が5番目、ブレーブス(.660)が8番目、ガーディアンズ(.672)が9番目、フィリーズ(.674)が10番目だった。

下位10で区切ったのは、30球団の下3分の1にあたるからだ。13番目まで広げると103勝のブルワーズ(.685)が入るが、本拠地の球場係数は95で、左打者の本塁打は出にくい。

4球団の三塁手のOPS。ヤンキース.629、ブレーブス.660、ガーディアンズ.672、フィリーズ.674で、どれもMLB全体の.717を下回る

最も高かったのはレイズの.867で、三塁で161試合に出たジュニオール・カミネロは、今季42本塁打を打った。岡本和真が三塁で143試合に出たブルージェイズは.751で、30球団の上から11番目にあたる。

ただし、下位の6球団のうち5球団は負け越している。マリナーズは76勝86敗、レッズは75勝87敗、エンゼルスは62勝100敗、カージナルスは77勝85敗、ジャイアンツは65勝97敗だった。三塁が空いているだけなら候補は多いが、勝てるチームに絞ると数は一気に減る。

左打者に有利な球場は?

球場によって、本塁打の出やすさは大きく違う。Baseball Savantの「球場係数」は、その球場での成績をリーグ平均と比べた数字で、100が平均になる。左打者の本塁打で見ると、126なら平均より26%出やすいという意味だ。

2024〜26年の3年分で、左打者の本塁打が最も出やすいのはフィリーズのシチズンズ・バンク・パークで126。2位はヤンキー・スタジアムの121、3位はオリオールズのカムデンヤーズの119だった。逆に最も出にくいのはカージナルスのブッシュ・スタジアムで73、ジャイアンツのオラクル・パークが76で続く。

三塁が弱い下位10球団のうち、勝ち越したヤンキース、ブレーブス、ガーディアンズ、フィリーズの4球団は、いずれも球場係数が100以上だった。ブレーブスのトゥルイスト・パークは106、ガーディアンズのプログレッシブ・フィールドは102にあたる。

合いそうな4球団の中身は?

4球団とも2026年のポストシーズンに進んだ。三塁のレギュラーと、チームの状況を並べた。

球団 2026年の成績 三塁手のOPS(30球団で下から) 三塁で最も多く出た選手 左打者の本塁打の球場係数
フィリーズ 88勝74敗・ナ・リーグ東地区2位 .674(10番目) アレック・ボーム(106試合) 126(1位)
ヤンキース 93勝68敗・ア・リーグ東地区2位 .629(5番目) ライアン・マクマーン(122試合) 121(2位)
ブレーブス 94勝68敗・ナ・リーグ東地区1位 .660(8番目) オースティン・ライリー(158試合) 106(9位タイ)
ガーディアンズ 85勝77敗・ア・リーグ中地区1位 .672(9番目) ホセ・ラミレス(99試合) 102(12位タイ)

フィリーズは、三塁が空く可能性がいちばんはっきりしている。ボームはシーズンを通してOPS.698。MLB.comは10月9日、ボームをこのオフにFAになるフィリーズの選手の1人として取り上げた。報知によると、17日の甲子園にはフィリーズのスカウトも来ていた。

ヤンキースは、三塁手のOPSが4球団で最も低い。マクマーンは124試合でOPS.636だった。得点は739で30球団の9位タイと、打線全体は弱くない。三塁を埋めれば、勝てるチームの打線にそのまま入る形になる。

ブレーブスとガーディアンズは事情が違う。三塁にいたのは、ライリー(OPS.654)とラミレス(OPS.688)という実績のある主力で、今季はどちらも数字を落とした。穴が今季だけのものなのか、来季も続くのかは、この2人の回復次第になる。これは推論である。

左打者が多いチームは?

佐藤は左打者なので、打線の左右の偏りも見た。チームの全打席のうち、左打席専門の打者が立った割合は、ヤンキースが59.1%で30球団の1位、フィリーズが55.6%で2位だった。ガーディアンズは48.6%で9位、ブレーブスは46.0%で12位。

つまり、球場が左打者に有利な2球団は、すでに左打者が多い。左の佐藤が入ると、打線はさらに左に偏る。左投手が先発する試合で弱みにならないかは、獲る側が考える点になるだろう。これも推論である。

日本人が多い球団は?

当サイトのデータで、4球団に在籍した日本人を数えた。ヤンキースは7人で、野手は松井秀喜とイチロー。ガーディアンズは5人で、野手は福留孝介だけだった。フィリーズは井口資仁と田口壮の2人で、どちらも野手。ブレーブスは川上憲伸と斎藤隆の2人で、日本人の野手は在籍したことがない。

最も多いのはメッツの14人だ(日本人の球団別在籍史)。メッツは、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマン記者が8月14日に、ヤンキース、ドジャース、フィリーズとともに佐藤への関心が取り沙汰される球団として挙げた(MLB.com、9月3日)。

三塁以外なら?

MLB.comによると、ヘイマン記者はメッツに入る場合、三塁から一塁に移る必要があるかもしれないと伝えた。三塁にはボー・ビシェットがいる。メッツの一塁手のOPSは.667で30球団の下から3番目だったが、チームは74勝88敗で負け越した。

外野なら、ブルワーズが目につく。今季は103勝59敗でMLB最高の勝率だったが、右翼手のOPSは.614で下から2番目。三塁手も.685で13番目と強くない。ただ下位10の外で、球場係数も95と、左打者の本塁打は平均より出にくい。

次に見るもの

まずは阪神の正式な発表と、11月1日に始まるポスティングの申請に佐藤の名前が出るかだ(ポスティングとは)。12月1日に労使協定が切れると、交渉が止まるおそれもある。

候補を絞るうえでは、フィリーズがボームと再契約するかどうかが最初の分かれ目になる。ここで挙げた4球団は、数字から見た相性で、獲得に動くという意味ではない。


関連記事

この記事の数字について(出典・集計方法)
  • 佐藤輝明の守備位置と2026年成績:NPB公式「2026年度 阪神タイガース 個人守備成績」(三塁125試合・18失策、外野18試合、一塁の記載なし)と選手ページ(143試合・614打席・打率.306・39本塁打・106打点・出塁率.383・長打率.609)
  • 三塁手・一塁手・右翼手・指名打者の打撃:MLB Stats API の球団別の守備位置別成績(teams/{id}/stats?stats=statSplits&sitCodes=p5。一塁p3、右翼p9、指名打者pD)、2026年レギュラーシーズン(gameType=R)。その守備位置についていたときの打席を、選手を問わず合計したもの。マリナーズは、三塁を守った選手ごとの守備位置別成績を合計し直して、627打席・9本塁打・OPS.582で一致することを確かめた
  • MLB全体の三塁手のOPS.717は、30球団の守備位置別成績の安打・四球・死球・犠飛・塁打を合計して計算した(30球団の中央値は.713)
  • 「三塁で最も多く出た選手」は、MLB Stats API の守備成績(三塁の出場試合数)。シーズン全体の個人OPS(ボーム.698、マクマーン.636、ライリー.654、ラミレス.688)は打撃成績から。ラミレスは三塁以外に指名打者などでも出ている
  • 勝敗・順位・得点:MLB Stats API の順位表(standings、2026年レギュラーシーズン終了時点)
  • 左打者の打席の割合:MLB Stats API の選手ごとの打撃成績(移籍した選手は球団ごとに分けた)に、選手の打席(batSide)を当てて計算した。両打ちの選手は左打者に入れていない。両打ちを含めた割合はガーディアンズ81.3%が最も高い
  • 球場係数:Baseball Savant「Statcast Park Factors」の左打者・本塁打(index_hr)、2024〜26年の3年分。アスレチックスの本拠地サター・ヘルス・パークは2025年からのため3年分の値がなく、順位から除いた(2026年単年では133)。2026年単年の値は年ごとの振れが大きいため使っていない(ヤンキー・スタジアム140、シチズンズ・バンク・パーク105など)
  • 日本人の在籍歴:当サイトの日本人メジャーリーガーの球団別在籍史のデータ(1964〜2026年、レギュラーシーズンに出場した選手)
  • 報道は当サイトが取材したものではない:ボームのFAはMLB.com(マーク・フェインサンド記者、2026年10月9日)、ヘイマン記者の報道はMLB.com(2026年9月3日)による。ポスティング容認の方向とスカウトの来場はスポーツ報知(ライブドアニュース配信、2026年10月18日)
  • 4球団は、三塁手のOPSが30球団の下位10で、2026年に勝ち越した球団をすべて挙げたもの。球場係数は絞り込みには使っておらず、4球団とも結果として100以上だった。下位10の区切りは当サイトが決めたもので、契約の状況や予算は入っていない

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