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ニュース2026-10-03鈴木誠也カブスFA守備

鈴木誠也がFAへ 守備は右翼3位に、予想は最大1億ドル

鈴木誠也がFAへ 守備は右翼3位に、予想は最大1億ドル
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Baseball Archives 編集部・2026-10-03・データ出典 MLB Stats API

カブスの鈴木誠也外野手が、5年契約を終えて今オフにフリーエージェント(FA)となる。チームはワイルドカードシリーズでパドレスに2連敗し、9月30日(日本時間10月1日)に今季を終えた。鈴木はレギュラーシーズン143試合で打率.270、26本塁打、86打点。春のWBCで右膝を痛めて出遅れながら、4年連続の20本塁打に届いた。

米メディアのFA予想では、打者の中で上位に名前が挙がる。評価を押し上げているのが右翼の守備だ。過去4年は守備の指標が平均を下回り、昨季は指名打者での出場が中心だった。それが今季は、右翼手で3番目の数字を残した。守れる右翼手として市場に出られれば、契約の条件も変わってくる。

過去4年のマイナスから、右翼手3位のプラスへ

守備の貢献を示す指標に、MLB公式のスタットキャストが出す「FRV(フィールディング・ラン・バリュー)」がある。平均的な野手と比べて、守備で何点の失点を防いだかを表す数字だ。鈴木は2022年から4年続けてマイナス1〜2.6点で、平均より失点を許していた。今季はプラス8点。右翼で500イニング以上守った26人の中で3番目だった。

打球を捕れたかどうかだけを見る「OAA(アウツ・アバブ・アベレージ)」も、同じ向きに動いた。打球ごとの難しさから見込まれる捕球率88%に対し、実際には90%を捕り、平均的な外野手より5つ多くアウトを取った。右翼手では5位で、自己最高の数字。過去4年はマイナス3からプラス1の間だった。

では、何が変わったのか。今季のプラス8を分けると、守備範囲でプラス4.3点、送球でプラス3.7点になる。

ただ、足の速さと送球の平均速度は伸びていない。全力疾走の速さは秒速8.5メートルで、メジャー5年間で最も遅かった。送球の平均は時速144.7キロで、2023〜2025年の143.9〜146.5キロと変わらない。それでも補殺は自己最多の8つを記録した。

足は遅くなったのに、一歩目が速くなった

守備範囲が広がった理由は、打球への一歩目にあった。スタットキャストには「ジャンプ」という指標がある。投手が球を離してから3秒間で、外野手が打球の方向へ何メートル進めたかを測るものだ。同じ打球を平均的な外野手が追った場合と比べて、今季の鈴木は82センチ先まで進んでいた。打球を追う機会が40回以上あった外野手75人の中で、5番目タイになる。

この82センチの大半は、最初の1.5秒で生まれていた。スタットキャストはこの部分を「反応」と呼び、鈴木の反応は67センチで外野手75人中5位。2023〜2025年は20センチ前後だったから、約3倍に広がった。後半1.5秒の加速と、走る経路の正確さは2023年以降ほとんど変わっていない。

足は速くなっていない。それでも走り出しが早くなったぶん、届く範囲が広がった。

米紙シカゴ・トリビューン(6月3日)によると、一緒に取り組んだのはクインティン・ベリー三塁コーチ。前年に中堅手ピート・クロウアームストロングを指導したのと同じ方法で、春季キャンプでは「反応」「加速」「捕ってから投げるまでの速さ」の3つを磨き、投球前の自分に合ったルーティンを作ったという。

鈴木自身は米紙シカゴ・サンタイムズ(5月)に、ここ数年は守備に「少し不安があった」が、今年は良い感覚で入れたと話している。

ただし、守備の指標は1年ごとの振れ幅が大きい。FRVは守った時間に応じて積み上がる数字で、プラス8には右翼で972回2/3を守った出場の多さも効いている(昨季は指名打者が102試合で、右翼は32試合だけだった)。とはいえ、2023年は右翼で132試合に出てマイナス2.3だった。守る機会が増えただけでプラスになったわけではない。

DHではなく右翼手として売れる

この変化は、FAの条件に直結する。指名打者しかできない32歳の打者なら、DHの枠が空いている球団しか獲りに行けない。右翼を任せられるなら、外野手を探している球団すべてが買い手になる。

MLB公式サイトは8月26日、今オフのFA選手で鈴木を5位に挙げた。外野手の層が薄いことから、4年か5年の契約でかなり良い条件を得られる可能性があるという。

MLBトレードルーマーズも9月17日の格付けで5位とし、4位の外野手ランディ・アロザレーナと比べて「守備が上で、四球が多い」と評価した。

契約年数は「4年以上には壁があるが、3年未満で妥協する必要はない」とし、総額は7000万〜1億ドル程度と予想した。4〜5年とみるMLB公式より、年数は短めの見立てだ。同じ32歳の外野手テオスカー・ヘルナンデスが2025年に結んだ3年6600万ドル(年平均2200万ドル)を、「大きく上回るはず」とも書いている。

2022年に結んだ今の契約は5年総額8500万ドルで、年平均は1700万ドル。仮に3年7000万ドルなら年平均は約2330万ドルで、今の契約を大きく上回る。守備の向上が来年以降も続くと見るか、今年だけと見るか。各球団の判断が、そのまま契約額の差になる。

なお、メジャーで日本人選手がゴールドグラブ賞を受賞したのは、2001年から10年連続で選ばれたイチローだけ。今季の数字なら、鈴木が候補に入っても不思議はない。

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この記事の数字について(出典・集計方法)
  • 打撃成績と守備位置ごとの出場は MLB Stats API のレギュラーシーズン(gameType=R)の数字。ワイルドカードシリーズは gameType=F。
  • FRV、OAA、捕球率、ジャンプ、全力疾走の速さ、送球の速さは Baseball Savant(スタットキャスト)のリーダーボード(10月2日取得)による。フィートとマイルはメートル法に換算した(1フィート=0.3048メートル、1マイル=1.609344キロ)。
  • FRVの順位は、右翼の守備イニングが500以上(アウト1500以上)の26人で比べた。今季の鈴木は右翼で972回2/3を守った。過去4年のFRVは2022年から順にマイナス2.6、マイナス2.3、マイナス2.6、マイナス1.0。今季の内訳は守備範囲プラス4.26、送球プラス3.73。OAAの順位は、主な守備位置が右翼の選手で比べた。
  • ジャンプは、投手が球を離してから3秒間に打球の方向へ進んだ距離を、同じ打球での平均的な外野手と比べたもの。前半1.5秒の「反応」、後半1.5秒の「加速」、経路の正確さの「ルート」に分かれる。鈴木の反応は2022年から順にマイナス0.1、0.6、0.8、0.7、2.2フィート、ジャンプは今季2.7フィート。順位は機会が40回以上の外野手75人で比べた(ジャンプは5位の選手と同じ値)。
  • 全力疾走の速さは2022年から順に秒速28.3、28.5、28.3、28.4、28.0フィート。送球の平均は外野からの送球の平均値で、2023年から順に91.0、89.4、90.5、89.9マイル。
  • ベリー・コーチの取り組みはシカゴ・トリビューン(6月3日)、鈴木の守備についての発言はシカゴ・サンタイムズ(5月)の報道を、FanGraphs の記事(Seiya Suzuki's Defense Took a Big Leap Forward、9月30日)から引いた。いずれも当サイトが取材したものではない。
  • FA格付けと契約予想は、MLB公式サイトの Ranking the top 10 free agents this offseason(8月26日)と、MLBトレードルーマーズの 2026-27 MLB Free Agent Power Rankings: Final Check-In(9月17日)による。予想であり、実際の契約とは異なることがある。
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