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大谷翔平

大谷翔平ドジャース本塁打

大谷翔平、自己最長102打席ノーアーチ 地区シリーズは打球が上がりすぎ

2026年10月10日(日本時間) Baseball Archives 編集部 データ出典 MLB Stats API

この記事のポイント

  1. 30号から102打席本塁打なし。1シーズンでは自己最長
  2. 復帰後、スイングの速さと打球の強さは好調期並みに戻った
  3. 空振りは好調期の27.7%から38.9%。地区シリーズでは打球が上がりすぎた

ドジャースの大谷翔平は、8月18日(日本時間19日)のロッキーズ戦で30号を放ったのを最後に、ポストシーズンを含めて102打席本塁打が出ていない。1シーズンの中では、メジャーでの自己最長になる。

負傷者リストから戻った後の計測値を見ると、打球の強さは戻った。それでも本塁打が出ない。戻っていないのは空振りの多さで、ブレーブスとの地区シリーズでは打球が高く上がりすぎていた。

大谷翔平、自己最長102打席ノーアーチ 地区シリーズは打球が上がりすぎ

102打席の内訳は、30号を打った試合の残り3打席、レギュラーシーズン最後の18試合の83打席、地区シリーズ4試合の16打席。これまでの1シーズン内の最長は2019年の73打席だった。

シーズンをまたげば、2022年の34号から翌年の1号までに104打席がある。リーグ優勝決定シリーズ第1戦(日本時間12日9時開始)で3打席続けて本塁打が出なければ、これも超える。

ドジャースの起用も動いた。地区シリーズの第1戦と第2戦は2番だったが、第3戦は5番、第4戦は4番に入った。

大谷は地区シリーズ前日の2日の会見で「かなり良くなっている。スイングもスムーズになった」と話していた(時事通信、10月3日)。ロバーツ監督は第2戦の後、「万全ではないからこそ、少し力みがあるのか、分からない」と語っている(中日スポーツ、10月5日)。

本塁打のほかは保てているのか

8月19日以降の22試合は、99打席で83打数13安打、打率.157。長打は二塁打2本と三塁打1本だけで、30号までの535打席で57本あった長打がほとんど出ていない。

保てていたのは四球の割合だ。この22試合で四球は13個、打席の13.1%で、30号までと同じ割合だった。ただしその大半は負傷者リストに入る前の9月上旬までに選んだもので、9月23日に戦列に戻ってからの9試合では38打席で3個しかない。出塁率は30号までの.390から.286に下がった。

地区シリーズでは、打球が上がりすぎた

地区シリーズの4試合で前に飛んだ打球は9本。そのうち4本を、Statcastは「ボールの下を叩いた打球」に分類している。バットがボールの下側に入り、高く上がりすぎた当たりのことだ。2024年は20.9%、2025年は19.7%だった割合が、9本中4本になった。

第3戦の5回、ボール3、ストライク1。大谷は真ん中の高さに来た時速157.4キロの直球を、123.4キロのバットスピードで振り抜いた。打球速度は163.0キロ。だが角度は52度まで上がり、82メートルの左飛に終わった。第2戦の3回の打球も61度まで上がり、遊撃手へのインフィールドフライだった。

9試合で戻ったもの、戻っていないもの

右上腕二頭筋の炎症から戻った9月23日以降、レギュラーシーズン5試合と地区シリーズ4試合の計9試合を、好調だった8月18日までと比べる。

スイングの速さは平均で時速121.4キロ。好調期の120.1キロを上回っている。前に飛んだ打球のうち、時速153キロ以上の強い当たりは22本中14本、63.6%で、好調期の52.5%より多い。打球速度の平均も150.5キロから154.2キロに上がった。

8月後半に目立った当たりも減った。8月19日から負傷者リスト入り前の9月7日までは、打球の半分(28本中14本)が、バットがボールの上側に当たって転がったゴロになっていた。それが復帰後は22本中5本、22.7%と、好調期の28.7%を下回る水準に戻っている。

一方で、空振りは増えた。復帰後はスイング72回のうち28回が空振りで、38.9%。好調期は27.7%だった。三振は38打席で12個と、打席の31.6%を占める。好調期は23.0%である。

ストライクゾーンの中の球を振っても、当たらないことが増えた。ゾーン内のスイングでバットに当たった割合は、好調期の81.2%から76.7%に下がっている。地区シリーズの打球9本の中には、本塁打になりやすい速さと角度を兼ねた「バレル」が1本もない。

崩れ方が目立つのは変化球だ。直球以外の球へのスイングで空を切った割合は、好調期の34.4%から復帰後は55.6%(27回中15回)。2024年は32.3%、2025年は38.1%だったから、例年の大谷と比べても高い。直球への空振りは21.4%から28.9%で、上がり方は小さい。

8月後半から9月上旬は上を、地区シリーズは下を叩いた当たりが目立つ。振る速さも打球の強さも戻ったなかで、ボールの高さにバットが合っていない可能性がある。

変化球への空振りが増えたことも、同じ見方で説明がつく。落ちたり曲がったりする球の高さにバットを合わせきれなければ、当たらないか、当たっても芯の上下で打つことになる。ただし、これは計測値からの推論である。復帰後の打球は22本、スイングは72回にすぎず、右上腕二頭筋の状態との関係も計測値からは分からない。

次は打球の角度を見る

ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズで、最初に見たいのは本塁打より打球の角度だ。強い当たりはすでに戻っている。それが25度から35度ほどの角度で飛びはじめれば、本塁打までの距離は一気に縮まる。

その形に最も近かったのが、第4戦の8回の打球だった。2アウト、カウント2-2から時速137.4キロのスライダーを、打球速度157.6キロ、角度25度で右翼へ運び、108.5メートルの右飛になった。103打席目は、日本時間12日の第1戦で回ってくる。


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この記事の数字について(出典・集計方法)
  • 打席・成績は MLB Stats API(レギュラーシーズン=gameType=R、地区シリーズ=gameType=D)の試合記録から、米国時間2026年10月7日の地区シリーズ第4戦終了時点で集計した。
  • 102打席の内訳は、8月18日(gamePk 824319)の30号の後の3打席、8月19日〜9月27日のレギュラーシーズン18試合の83打席、地区シリーズ4試合(gamePk 849828・849823・849819・849822)の16打席。地区シリーズの16打席には第3戦の捕手の打撃妨害1つを含む。
  • 「1シーズンの中で自己最長」と「シーズンをまたいで104打席」は、2018〜2026年の全試合(ポストシーズンを含む)のゲームログで打席数を数え、本塁打のあった試合は試合ごとの1打席ずつの記録(playByPlay)で本塁打の前後の打席を分けて数えた。これまでの1シーズン内の最長は2019年7月27日〜8月18日の73打席。シーズンをまたぐ104打席は、2022年9月11日の34号の後から2023年4月2日の1号までである。
  • 打順は MLB Stats API の各試合のボックススコアによる。
  • 「8月19日以降の22試合」はレギュラーシーズン18試合と地区シリーズ4試合。99打席・83打数13安打・二塁打2・三塁打1・四球13・死球2・三振33。30号までは117試合535打席で、長打57本(二塁打24・三塁打3・本塁打30)、四球70、三振123、出塁率.390。四球の割合は13.1%(13/99)と13.1%(70/535)。復帰後9試合は38打席で四球3(7.9%)、三振12(31.6%)。出塁率.286の計算では、打撃妨害の1打席を分母から除いた。
  • 1球ごとの計測値は Baseball Savant の1球データ(statcast_search、hfGT=R|PO|)で、10月7日まで反映されている。「好調期」は開幕〜8月18日、「復帰後」は9月23日〜10月7日(レギュラーシーズン5試合と地区シリーズ4試合)。打席数は Stats API と一致する。
  • 空振り率は空振り÷スイング。空振りにファウルチップは含めない(バットに当たっているため)。このため、ファウルチップを空振りに含めた9月27日の記事とは値が異なる。好調期27.7%(259/934)、復帰後38.9%(28/72)。
  • ゾーン内のスイングでバットに当たった割合は、好調期81.2%(489/602)、復帰後76.7%(33/43)。ゾーンは Savant の zone(1〜9がゾーン内、11〜14がゾーン外)による。
  • 「直球」はフォーシーム・シンカー・カッターをまとめたもの。直球以外への空振りは、好調期34.4%(156/453)、復帰後55.6%(15/27)、2024年レギュラーシーズン32.3%(205/634)、2025年同38.1%(243/638)。直球への空振りは好調期21.4%(103/481)、復帰後28.9%(13/45)。
  • スイングの速さは、今季のスイングから遅いほう10%を除いた基準(65.3マイル=約105.1キロ)以上か、打球速度90マイル以上のスイングの平均。好調期840スイング、復帰後65スイング。同じスイングで、スイングの軌道の角度(attack_angle)は好調期・復帰後9試合とも13.4度、ボールを捉える位置(intercept_ball_minus_batter_pos_y_inches)は打者の立ち位置から66.8センチ前と66.2センチ前で、9試合を合わせるとほぼ変わらない。ただし地区シリーズ4試合だけ(28スイング)では、軌道の角度10.6度、捉える位置61.5センチ前だった。
  • 強い当たりは打球速度95マイル(約152.9キロ)以上。好調期52.5%(176/335)、復帰後63.6%(14/22)。打球速度の平均は計測値のある打球の平均。
  • 「ボールの上を叩いた」打球は Statcast の打球分類(launch_speed_angle)の Topped(2)、「ボールの下を叩いた」打球は Under(3)、バレルは Barrel(6)。Topped は好調期28.7%(96/335)、8月19日〜9月7日50.0%(14/28)、復帰後22.7%(5/22)。Under は2024年20.9%(100/479)、2025年19.7%(84/427)、地区シリーズ44.4%(4/9)。地区シリーズのバレルは0/9。
  • 打球角度の50度超、カウント・球速・打球速度・飛距離は Savant の1球データによる。第3戦5回の打球は飛距離269フィート、第4戦8回の打球は356フィート。
  • 大谷の発言は時事通信(2026年10月3日配信、2日の会見)、ロバーツ監督の発言は中日スポーツ(2026年10月5日、地区シリーズ第2戦後の会見)によるもので、当サイトが取材したものではない。デイリースポーツ(10月8日)は、レギュラーシーズン終了時点を「18戦86打席連続本塁打なし」としており、本文の内訳(3打席+83打席)と一致する。
  • 球速・打球速度・バットスピードはマイル毎時から、飛距離はフィートから、捉える位置はインチからメートル法に換算した(1マイル=1.609344キロ、1フィート=30.48センチ、1インチ=2.54センチ)。

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