STATSBaseball ArchivesBASEBALL STATS ANALYSIS
← ニュース一覧
ニュース2026-09-28大谷翔平ドジャース二刀流2026年シーズン総括無冠防御率本塁打打球速度バットスピードMLB

大谷翔平 2026年は打撃無冠 防御率1.79も終盤失速、衰えは?

大谷翔平 2026年は打撃無冠 防御率1.79も終盤失速、衰えは?

ドジャースの大谷翔平が2026年のレギュラーシーズンを打率.275、30本塁打、81打点、OPS.889で終えた。主要な打撃部門でリーグ1位はなく、2022年以来4年ぶりの無冠。投手としては14試合に先発して防御率1.79と、80回以上を投げたナ・リーグの投手で最も低かった。想定外の1つ目は、7月3日を最後に登板が止まったこと。ただし打撃はその後の6週間でむしろ上向き、崩れたのは8月19日から。誤算は二刀流そのものより、体が1年持たなかったことだ。もう1つは打球の強さで、最も速い打球は2021年以降で初めて時速190キロに届かず、好調だった前半から過去2年を下回っていた。年齢による変化か、不調によるものかは来季の数字で見えてくる。

Baseball Archives 編集部・2026-09-28・データ出典 MLB Stats API

打撃部門のタイトルは、ひとつも取れなかった。ドジャースの大谷翔平は9月27日(日本時間28日)の敵地ジャイアンツ戦で、2026年のレギュラーシーズンを終えた。打者としては打率.275、30本塁打、81打点、OPS.889。OPSはナ・リーグ3位と十分な数字だが、本塁打、打点、打率、OPSといった主要部門で1位はなく、2022年以来4年ぶりの無冠となった。それでも投手としては14試合に先発して8勝2敗、防御率1.79。大谷の2026年は、何が想定と違ったのか。

2023年から3年続けて、本塁打やOPSなど複数の部門でリーグ1位になっていた。その3年と比べても、今季は7月初めまで投打とも見劣りしない数字を残していた。投手としては開幕から7月3日まで、ほぼ1週間おきに14試合へ先発した。85回2/3を投げて防御率1.79は、今季ナ・リーグで80回以上を投げた投手の中で最も低い。規定投球回の162回には届いていないが、80回以上の投手で2位のミジオロウスキー(ブルワーズ)は1.80、山本由伸は2.53だった。直球の平均球速は約158キロで、最後の登板となった7月3日は約159キロまで上がっていた。

打者としても、投げていた7月3日までは打率.288、18本塁打、OPS.927。先発をこなしながら、打線の中心としての役割も果たしていた。

失速は8月19日から

想定外の1つ目は、投手としての登板が7月3日で止まったことだ。報道によると、左膝の張りなどが理由とされる。大谷は負傷者リストには入らず、指名打者として出場を続けた。同じく報道によれば、8月8日に投球練習を再開したが、8月30日に予定されていた復帰登板は見送られ、投手として戻る見通しは立たなくなった。

ただ、打撃はここで崩れたわけではなかった。登板が止まった7月4日から8月18日までの36試合は、打率.306、12本塁打、OPS.993。投げていた時期をさらに上回り、8月18日には30号に到達した。崩れたのは、その翌日からだ。8月19日から最終戦までの18試合は本塁打0。70打数11安打の打率.157で、三振は29を数えた。9月11日には右上腕二頭筋の炎症で負傷者リストに入り(8日付)、戦列に戻ったのは9月23日だった。30本塁打はリーグ9位タイで、2021年以降では最も少ない。

この流れを見ると、「投げながら打つのは、やはり無理があった」とは言いにくい。投げていた時期も、投げるのをやめた直後の6週間も、打者としての大谷は好調だった。8月8日に投球練習を再開してからも、18日までの11試合で4本塁打と打てていた。ただ、失速が始まった時期は、投手復帰に向けて打者相手の投球などを重ねていた時期と重なっており、無関係とまでは言えない。過去を振り返れば、大谷は投げながら打ってきた選手だ。

年 投球回 本塁打 OPS 最も速い打球
2021 130回1/3 46 .964 191.5キロ
2022 166回 34 .875 191.7キロ
2023 132回 44 1.066 190.9キロ
2024 登板なし 54 1.036 191.8キロ
2025 47回 55 1.014 193.1キロ
2026 85回2/3 30 .889 184.4キロ

130回以上を投げた2021年に46本、2023年に44本。投げることと打つことの両立そのものは、大谷にとって新しい壁ではない。今季の想定外は両立の難しさより、体が1年持たなかったことにある。スイングの速さは、7月3日まで、7月4日から8月18日まで、8月19日以降のどの期間も平均で時速120キロ前後とほとんど変わっておらず、8月後半の失速は振る速さが落ちたからではなかった。ロバーツ監督は9月2日の試合後、大谷が「少しばかり(身体を)かばっている」と話している。ただ、体の不調が打撃にどこまで響いたのかは、公表されている情報からは分からない。

年齢による衰えはあるのか

想定外のもう1つは、打球の強さだ。今季いちばん速い打球は時速184.4キロで、2021年以降で初めて190キロに届かなかった。この数字は4月と6月の本塁打で記録したもので、好調だった前半でも190キロに届いていない。7月3日までの打球を見ても、時速153キロ以上の強い打球の割合は52.7%で、2024年と2025年の6月までの61%前後を大きく下回っていた。打球の弱まりは、8月の失速より前から始まっていた。

シーズン全体で見ても、強い打球の割合は52.0%で、2024年の60.1%、2025年の58.7%を下回った。本塁打になりやすい速さと角度を兼ねた打球「バレル」の割合も16.4%で、過去2年の21.5%、23.5%より低い。バットを振る速さ(バットスピード)は、計測が始まった2024年の平均時速122.8キロから、2025年は122.0キロ、今季は120.2キロと少しずつ下がった。全力で走ったときの速さも、2021年の秒速8.78メートルから今季は8.44メートルまで落ちている。

もっとも、これを年齢だけで説明することはできない。大谷は7月に32歳になったが、今季は右上腕二頭筋の炎症で負傷者リストに入り、報道では左膝の張りも伝えられた。今季の数字だけでは、年齢のせいか、体の不調のせいかを見分けられない。

投手としては防御率1.79で、力が落ちていないことを14試合で示した。打者としては、打球の強さが開幕から過去2年を下回っていた。来季の焦点は2つある。1年を通して投げられるか。そして、いちばん速い打球が再び190キロ台に戻るか。戻れば今季の低下は不調によるものだった可能性が高く、戻らなければ年齢による変化を疑う理由が強くなる。

この記事の数字について

関連記事

数字はすべて MLB Stats API ほかの実データです。データの出典と方針
選手データ

大谷翔平の成績・年度別・高度指標を見る

開く →

関連・注目のニュース

← ニュース一覧へ戻る