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ニュース2026-09-06村上宗隆ホワイトソックス本塁打記録三振StatcastMLB

村上宗隆30号 日本人1年目の最多 打率は.211

村上宗隆30号 日本人1年目の最多 打率は.211

9月5日(日本時間6日)、ホワイトソックスの村上宗隆が30号2ランを放った。日本人選手がMLB1年目に打った本塁打としては、大谷翔平の22本(2018年)を8本上回る最多。同じ年に岡本和真も28本を積み上げており、松井秀喜から城島健司、大谷と15年かけて6本しか動かなかった記録が、1シーズンで二重に塗り替えられた。ただし打率は.211で、30本に届いた日本人9シーズンのなかで最も低い。384打数での30本は、打率.215以下で30本以上に届いた過去20例のなかで最も少ない打数だった。打球になった打席の割合は47.9%で、これは350打席以上の215人でMLB最少にあたる。

Baseball Archives 編集部2026-09-06データ出典 MLB Stats API

打率という一つの数字では、この打者を説明できない――。ホワイトソックスの村上宗隆が9月5日(日本時間6日)、本拠地レート・フィールドのツインズ戦で30号2ランを放った。3月26日のMLB初出場から、6月を全休しての107試合・384打数での到達。日本人選手がMLB1年目に打った本塁打としては、これまで最も多かった大谷翔平の22本(2018年)を8本上回った。ただし村上は同じ試合で3打席続けて三振に倒れており、記録に届いた日の4打席そのものが、この1年を凝縮した“両極端”だった。

30号は1回、いきなり出た。1死一塁からタジ・ブラッドリーの時速149キロのスプリッターを左翼へ。打球速度167キロ、打球角度49度。大きく打ち上げた当たりが、105メートル先のスタンドに落ちた。残る3打席は145キロのカッターを見逃し、158キロの直球に空を切り、8回はA・J・ミンターの141キロのカッターに空振り。4打数1安打3三振、チームは4対6で敗れた。1本と3三振が同じ日に並ぶという内訳が、そのままこの1年の縮図になっている。

8年動かなかった記録が、1年で二重に破られた

日本人選手のMLB1年目の本塁打は、松井秀喜の16本(2003年)から城島健司の18本(2006年)、大谷翔平の22本(2018年)へと、15年かけて6本しか増えなかった。その22本が8年動かないまま2026年を迎え、この年、記録は同じシーズンに2人がかりで書き換えられている。村上の30本と、ブルージェイズに移った岡本和真の28本。15年かけて6本しか動かなかった記録を、1年目の日本人2人が同じ年に飛び越えた。

日本人選手のMLB1年目 本塁打 打数 打率
村上宗隆 2026 30 384 .211
岡本和真 2026 28 503 .233
大谷翔平 2018 22 326 .285
城島健司 2006 18 506 .291
松井秀喜 2003 16 623 .287

もっとも、村上の30本には、ほかの誰とも違う条件が付いた。日本人選手が1シーズンに30本以上を打ったのは、これで9度目。内訳は大谷が6度(今季の30本を含む)、松井秀喜が2004年、鈴木誠也が2025年、そして今回の村上。その9度のうち、打率が.250を下回ったのは鈴木の.245と村上の.211だけで、村上はそれまでの最低だった鈴木の数字をさらに34ポイント下回った。

384打数で30本という異常

打数のほうも極端に少ない。1901年以降、打率.215以下でシーズン30本以上を記録した例は、MLB全体でのべ20シーズン(15人)しかない。しかもそのうち2つは進行中の2026年で、村上と、同じホワイトソックスのコルソン・モンゴメリー(506打数31本・打率.213)である。村上の384打数は、この20例のなかで最も少ない。次に少ないジャンカルロ・スタントンの2022年(398打数で31本)より、さらに14打数少ない。ただしホワイトソックスは142試合を消化した時点で残り20試合あり、村上の打数はまだ増える。この順位は9月5日終了時点のものだ。

ただし、打数の少なさは物足りなさの裏返しではない。12.80打数に1本という効率は、今季350打席以上の215人のなかで3位。カイル・シュワーバー(12.39)とハンター・グッドマン(12.69)に続く数字で、同じ30本を打った大谷(16.63)より1本あたり4打数近く少ない。打率は.211、本塁打効率は3位。この2つがこれほど逆へ振り切れた例は、過去20例のなかにもない。

打席の半分が、バットに当たらないまま終わる

なぜ384打数で30本が出るのか。答えは打数の外側にあった。村上の468打席のうち、三振が161、四球が81。この2つだけで打席の半分を超え、打球になった打席は47.9%しかない。この割合は350打席以上の215人でMLB最少にあたり、同じ215人の平均68.1%から20ポイント以上も離れていた。安打81本と四球81個が同じ数という並びが、そのまま「打席の半分が消える」という構造を表している。

ところが、その“半分”のなかでは、まるで別の打者だ。インプレーになった224打球の平均打球速度は151キロで、強い当たりの基準とされる153キロのすぐ下に平均が乗っている。最も価値の高い「バレル」に分類された打球の割合は19.2%で、300打席以上の243人のなかで2位。ジェームズ・ウッドの20.9%に次ぐ数字で、「強い当たり」の割合57.1%も3位につけた。バレルと判定された43本のうち27本が、そのまま本塁打になっている。

当たらない打席がMLBで最も多く、当たった打球はMLBで最も強い部類。この“両極端”が、384打数30本という並びを作った。ただし、打球の質はそのまま生産量にはならない。三振率34.4%はMLB3位、打球の中身から期待される長打率(xSLG)は.465で43位。打球の質が2位でも、“半分”が消えれば、生産量は43位の水準まで落ちる。

その落差は、直近ほど大きい。3月から5月までは200打数48安打の打率.240で20本。6月を全休し、7月以降は184打数33安打の打率.179で10本。通年の.211は、この2つを平均した結果でしかない。8月は102打数15安打で打率.147、三振46。9月の5試合は20打数2安打で打率.100、11三振。30号は、その最中に出た1本だった。

しかし、日本人1年目の記録を8本更新した打者が、同時にMLBで最も打球を打たない打者。技術がまだMLBの球速に追いついていないのか。1年目という時間の問題なのか。それとも、この振り方でしか30本は出ないのか。それとも、その両方なのか――。

残り20試合で答えは出ない。ただ、打率.211という数字だけを見て「1年目は苦しんだ」と片付ける段階ではなくなった。問いは「なぜ当たらないのか」から、「当たらないままで、どこまで届くのか」へ移りつつある。

もっとも、この記録はまだ動く。岡本の28本も、残り試合で30に手が届く位置にある。岡本まで30本に届けば、日本人1年目の基準そのものがもう一段上がる。9月のホワイトソックスとブルージェイズには、そこを見る理由も加わった。


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