千賀滉大のMLBでの歩み
発掘は一本の電話から始まった。名古屋で野球用品店を営む西川正二氏が、ソフトバンクのスカウト部長・小川一夫氏に「蒲郡に本当に良い投手がいる」と伝えた。県立蒲郡高校は甲子園に出たことがなく、投手への転向も入学後である。2010年の育成ドラフト4位で指名され、背番号は128だった。2019年9月6日のロッテ戦でのノーヒットノーランも、この経歴のほうに意味がある。許した走者は四球と死球の4人だけ。史上80人目で、球団としては前身の南海時代、1943年の別所昭以来76年103日ぶり、そして育成出身の選手としては初めてだった。代名詞のフォークについて、本人はMLB公式に、呼称の起源を知らないと語っている。10年ほど前に日本で使われ始めたのを耳にしただけで、自分では「お化けフォーク」と言わない。ただし渡米のタイミングで、グラブのウェブには大きなフォークを持ったお化けの刺繍を入れた。2016年ごろから入れていた蒲郡市の地形の刺繍の隣だ。メジャーへはポスティングを使わず、海外フリーエージェント権を行使して2022年12月にメッツと5年7500万ドル。育成入団の選手がメジャーリーガーになったのも、これが初めてだった。2026年は4月27日にさかのぼる形で腰椎の炎症により離脱し、6月24日、カルロス・メンドーサ監督が先発ローテーションから外してブルペンへ回すと明言する。直前の登板は4回途中7失点だった。9月20日時点で、メジャーでの救援登板21試合はすべて2026年のもので、セーブと完了試合の欄に数字が入ったのもこの年が最初である。9月14日のオリオールズ戦では1点を追う9回に登板し、1回を無失点で抑えた。
獲得タイトル・受賞
NPB時代のタイトル
MLBのタイトルとは別。ベストナイン・ゴールデングラブ賞含む主要個人タイトルを収録。
成績
2024年高度指標(投球)
2024年運を除いた実力防御率(K/四球/被本のみ・簡易)
平均 約4.0・下回れば良い
対戦打者を三振に取る割合
平均 約22%・27%↑で優秀
与四球の割合(低いほど良い)
平均 約8%・6%↓で優秀
奪三振率−四球率=支配力の総合
平均 約14%・20%↑で一流
9回あたり与四球
平均 約3.1・2.5↓で優秀
9回あたり被本塁打
平均 約1.2・1.0↓で優秀
打球の質(Statcast)
2024年パーセンタイルは「MLBの全選手の中で上から何%か」。50が平均、100に近いほど優秀。出典 Baseball Savant。
球種構成
2024年球種ごとの投球割合と、その球の質(出典 Baseball Savant)。
2024年までのMLB通算
日本人との対戦:日本人打者3人との通算成績
2024年までに到達した通算記録
状況別成績
月別成績(2024年)
| 月 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 7月 | 1 | 1-0 | 3.38 | 5.1 | 9 | 0.56 |
出典 MLB Stats API。月ごとの成績をそのまま掲載しています(合計行は出していません。率の月平均はシーズン成績と一致しないため)。
ハイライト
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千賀滉大0勝9敗で7セーブ 2巡目に半分になる数字
メッツの千賀滉大が9月16日(日本時間)のオリオールズ戦で1点リードの9回を守れず、守護神を任されて8度目の機会にして初めてセーブを失敗した。今季は29試合で0勝9敗7セーブ、防御率7.05。2026年にメジャーで登板した855人のうち、未勝利のまま9敗を喫しているのは千賀ひとりで、日本人投手の全シーズンを走査しても未勝利での9敗は例がない。先発8試合を打席ごとに数え直すと、打線1巡目に31.9%あった三振の割合は2巡目で16.9%へ落ち、本塁打は3本から6本へ増えていた。1イニングだけ投げるいまの千賀の三振率は31.7%で、先発だったころの1巡目とほぼ重なる。
日本人投手の一発はMLB平均の1.2倍 打たれ方は2つに割れた
8月23日、千賀滉大が9回裏にサヨナラ本塁打を浴びて0勝9敗になった。同じ日、菅野智之も3回で降板している。2026年の日本人投手9人を合わせた被本塁打率は9イニングあたり1.40本。MLB全体の1.16本を2割上回る。だが1球ごとの計測データを開くと、打たれ方は2つの型に割れていた。今永昇太は被打球の速度が同条件371投手の平均を下回りながら30本を浴び、菅野智之は6人で最も高めを使わないのにバレル率が371人中5位に入っている。そして山本由伸と大谷翔平は、どちらの型にも入らない。
0勝8敗の千賀滉大が9回を締めている 3セーブの中身
シーズン0勝8敗、防御率7.79。18試合に投げて勝ち星のないメッツ・千賀滉大が、いまチームの9回を任されている。3セーブは3度の機会すべてで成功し、8月の5登板は5イニング無失点、被安打1本だけ。1球ごとの計測データを見ると、先発時に7種類あった球種が、速球とフォークの2つで投球の88%を占める形に変わっていた。9イニングあたりの与四球は6.82個から3.60個へ半減。奪った三振7つのうち6つがフォークで、7つすべてが空振りだった。
